慢性腎臓病(chronic kidney disease: CKD)とは
尿異常(蛋白・アルブミン)と腎機能低下のいずれかまたは両方が慢性(3か月以上)に存在する病態です。CKDとも呼ばれ、テレビコマーシャルでも啓蒙されています。2005年の推計では日本人の約1300万人(成人の8人に1人、約13%)が罹患していると言われていましたが、2024年には約2000万人(成人の5人に1人、約20%)に増加しており、啓蒙により認識が広まったと考えられます。血液検査、尿検査、画像検査(超音波・CT)で簡単に判明します。
慢性腎臓病の原因
糖尿病、高血圧、慢性糸球体腎炎が3大原疾患で、脂質異常症、高尿酸血症、肥満、加齢などが悪化リスクです。いずれにせよ、あまり自覚症状がないまま進行していくことが問題です。
慢性腎臓病の何が怖いのか
慢性腎臓病は自覚症状がないまま末期腎不全へと進行していきます。しかし実際は、全員が透析へと導入される訳ではありません。それはなぜか?透析が必要な末期腎不全へと至る前に亡くなっているからです。慢性腎臓病では心臓病や脳卒中などの心血管疾患の発症率が約3倍になっていることが一番の怖さなのです。
慢性腎臓病の治療
原因疾患に対する治療、危険因子の除去、尿蛋白や貧血のコントロール、食事療法などです。また最近、慢性腎臓病に対して新規に適応となった薬剤が登場しています。当センターではこうした新規薬剤も積極的に導入しています。慢性腎臓病を完治することはできず、治療は進行抑制が目的です。心血管疾患を合併しないよう、末期腎不全を少しでも先送りできるよう、当センターでは最新の治療法を提供します。
腎臓内科外来担当医
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